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屋根材を外壁に使う

2021.12.09

屋根材は外壁材に使える?


 雨や日中の日光にまともに晒されている屋根は耐候性や耐久性に優れているので外壁に使うことができれば、よく使われているサイディング(窯業系サイディング)より長持ちする住まいができるのでは?

 最近、外壁に金属製の屋根材「ガルバリウム鋼板」をよく見かけることがあります。
ガルバリウム鋼板」は、サビに強く高い耐久性や防災性を持たせた金属素材で、屋根にも外壁にも使える外装材として注目されています。

 外壁で使うガルバリウム鋼板の耐用年数は、20~25年程度です。(耐用年数とは、交換目安となる期間のことです。)
 ただし、10~15年ごとにメンテナンスが必要です。この定期的なメンテナンスにより耐用年数が維持できます。


|他の外壁材とガルバリウム鋼板の比較

<メリット>

・金属材の中ではサビにくい素材
 ガルバリウム鋼板はアルミニウムが主原料のため、他の金属外壁材に比べて非常に錆びにくいです。

・防水性が高い
 ガルバリウム鋼板は窯業系サイディングやALC外壁と比べて隙間が少ないため、水が内部に入り込みにくく雨漏りの発生を防ぎやすい

・軽量なので耐震性が高い
 外壁材は軽量であるほど地震に強くなります。ガルバリウム鋼板は外壁材のなかで特に軽量なため、他に比べて耐震性の高い住宅が期待できる。

<デメリット>

・傷がつきやすい
 ガルバリウム鋼板は表面のメッキが薄いため傷がつきやすく、傷部分が錆びてしまいます。このため、運搬や施工時には細心の注意が必要です。

・デザイン性が乏しい
 ガルバリウム鋼板は金属の質感によりシンプルなデザインですので、シンプルな住宅には最適ですが、模様のバリエーションは窯業系サイディングより少ないです。

・熱を吸収しやすい
夏場は異様に熱くなります。夏場の車のドアに触れるのと同じです。金属の性質として当然のことです。


|ガルバリウム鋼板は断熱性や防音性が低い?

 ガルバリウム鋼板の素材自体は断熱性や防音性が低いです。
 そのままで使用すると断熱性や防音性はほとんど得られないです。
 ですので、外壁にガルバリウム鋼板を使用する場合は断熱材をセットにします。
 このガルバリウム鋼板+断熱材は、「金属系サイディング」と呼びます。
「金属系サイディング」は、断熱性や防音性に優れた外壁材です。


|神戸市北野地区の異人館街

<神戸北野異人館>

 神戸北野異人館は、幕末や明治時代以降に欧米人の住居として建てられたため”異人館”と呼ばれたそうです。
 この”異人館”の中でも、ひときわ目を引くのが上の写真の建物で、外壁が魚のうろこのような形をしたものでおおわれている「うろこの家」(正式名称:「旧ハンター邸」)です。


 さて問題です。この「うろこの家」の外壁に使っているのは、さて何でしょうか?
 答えは・・・
 天然スレートという、粘板岩という天然石を薄い板状に加工したもので主に屋根材として使われているものです。かなり高価な屋根材ですので、今では一般住宅にはあまり使用されてません。東京駅の赤レンガ駅舎東京霞ヶ関の法務省旧本館などの屋根材に使われています。

東京駅丸の内駅舎の屋根:宮城県産とスペイン産のスレート(粘土岩を薄く剥いだ石板)と銅板を使用
法務省旧本館の屋根材:宮城県産のスレート(雄勝石-粘板岩)

「うろこの家」は高性能住宅

 天然スレートは、防火性や防水性に優れており、外壁材として使用することで火事や水害などの対策になります。また、断熱性が高いことから、室内では夏は涼しく冬は暖かく過ごせます。


 今では一般住宅で天然スレートを使うことは難しいですが、ガルバリウム鋼板を使うことで個性的な住まいづくりができます。
 金属の特徴である加工性の高さから、ガルバリウム鋼板には縦ラインや横ラインに加えさまざまな表面加工ができるので、うろこのようなエンボス加工を施し外壁をおおえば、コストアップ覚悟で現代版「うろこの家」をつくることもできるでしょう。


(参考:サイディングの主な種類と特徴)