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建物の耐震性について

2021.12.05

-耐震構造・免震構造・制震構造-


 2021年12月3日午前9時28分頃に和歌山県で最大地震5弱を観測する地震がありました。
 30年以内の発生が懸念されている南海トラフ巨大地震の想定震源域周辺で発生しましたが、今回は異なる仕組みの地震だったそうで、震源がもう少し深ければ南海トラフ巨大地震と同じプレート境界地震の可能性があったそうです。
<京都大学防災研究所 片尾浩准教授(地震学)より>


 地震大国日本では、住宅に「地震に強いこと」を求める傾向が強く、また、これまでの大きな震災から得た教訓を元に、都度法律の改正が行われました。
 現在、住宅の地震対策として、「耐震」「制震」「免震」の3つの工法があります。それぞれ構造や効果、コストが異なります。



|耐震構造について

 耐震構造とは、建物の柱や梁を強固にすることで、地震の揺れに「耐える」という構造です。建物の柱や梁を太く大きくしたり壁を強固にすることで建物自体を頑丈し強度を高めます。

<メリット>
 リフォームで耐震強度を高められ、他の工法に比べてコストがかからない。
<デメリット>
 建物自体の倒壊を防ぐ構造(地震の揺れを受け止める)ですので、揺れを軽減することはできません。繰り返しの地震によってダメージが蓄積すると、倒壊する可能性もあります。


|制震構造について

 制振とは、地震の揺れを吸収するために、建物内部や天井裏などにダンパーなどの「制震部材」を設置するという構造です。「制震部材」によって、地震の揺れが伝わりにくくなります。
 ビルや高層マンションなどは、各階にダンパーを設置して揺れを逃がします。
 小規模の集合住宅など鉄骨造の建物には、最上階にダンパーを設置して揺れを逃がします。また、横からの衝撃に強いので、強風のときにも揺れにくい構造です。

<メリット>
 高層建物に効果的です。また、繰り返しの揺れにも強いです。コストについては、「免震構造」よりも安く抑えることができます。
<デメリット>
 一般的な住宅のリフォームでも設置されていますが、基本的にこの構造は高層建物に対して効果を発揮しやすくなっています。


|免震構造について

 免震構造とは、建物と地盤の間に免震装置(ゴム層)を設置することで、地震の揺れを軽減させる仕組みです。建物を地盤から離すことで、地震の揺れを直接伝えない構造になっています。

<メリット>
 地震の揺れを地盤面で吸収するので、室内は揺れにくく、家具の転倒や転んでケガをするといった二次被害が起こりにくい構造となっています。
<デメリット>
 建築コストが他のものと比べてかかります。また、一部では台風や津波には強くない、垂直方向の揺れには弱いという意見もあります。
 また、この構造は通常の建物に採用されるケースは少なく、高層マンションやビルに採用されます。





|間取りや建物形状でも耐震性を考えて

 住宅に用いられる一般的で、もっとも低コストで建てられる木造住宅は、他の構造と比べるとどうしても耐震性は劣ります。

 ただ、間取りや外観、(例えば、室内側に構造用合板を設置するなど)耐震性に配慮した計画を行うことで、耐震性に安心感のある木造住宅を実現することができます。

 施工会社の担当者や建築士と詳細な打合せを行い、安心できる住まいの耐震性を実現しましょう!!

※熊本地震では、不適切な金物や釘の使用が倒壊した原因の1つにあげられてました。現場管理など信頼して工事を任せられる工務店を選ぶことが大切ですね。


|耐震等級とは

【耐震等級1】(建築基準法で定められている最低限の耐震性能を満たす水準)       いわゆる「新耐震基準」。
・数百年に一度程度の地震(震度6強から7程度=阪神・淡路大震災や2016年4月に発生した熊本地震クラスの揺れ)に対しても倒壊や崩壊しない
・数十年に一度発生する地震(震度5程度)は住宅が損傷しない程度※建築基準法ギリギリに設定されている場合には、震度6~7程度の地震に対して損傷を受ける可能性がありますのでご注意ください。

  気を付けたいのは、震度6~7の地震で「倒壊・崩壊しない」の一文です。これは「倒壊はしないが、一定の損傷を受けることは許容している」という意味なのです。住宅が倒壊すれば人命にかかわる問題になりますから、基準自体は正しいのですが、その後で補修や、損傷の程度によっては建て替えが必要になる可能性があることは知っておきましょう。


【耐震等級2】
 耐震等級1の、1.25倍の地震に耐えられる性能・耐震強度の水準です。「長期優良住宅」では、耐震等級2以上が認定の条件とされています。また災害時の避難所として指定される学校などの公共施設は、耐震等級2以上の強度を持つことが必須です。


【耐震等級3】
 耐震等級1の1.5倍の地震力に耐えられるだけの性能・耐震強度水準です。住宅性能表示制度で定められた耐震性の中でも最も高いレベルであり、一度大きな地震を受けてもダメージが少ないため、地震後も住み続けられ、大きな余震が来ても、より安全です。災害時の救護活動・災害復興の拠点となる消防署・警察署は、多くが耐震等級3で建設されています。震度7の揺れが、立て続けに2回起こった熊本地震では、1度目は耐えたが2度目の地震で倒壊した住宅も多数あった中、等級3の住宅は2度の震度7に耐えていたことが、専門家の調査によって明らかになっています。